一昔前の英国ドラマやコメディの世界へようこそ

1960-90年代の英国のドラマやコメディの独特の魅力をご紹介。ときどき英語のお話もします。

英国ドラマ『主任警部モース』とモールス符号

英国の推理ドラマ『主任警部モース』(Inspector Morse)の主人公「モース」と、モールス信号(符号)の発明者「モールス」。カタカナ表記は異なりますが、綴りは同じ「MORSE」、そして発音も同じです(「モース」の発音が英語に近いです)。

 

刑事モースのテーマ曲の冒頭とベースには、「ピーピー ピー ピー ピー ..」という電子音が流れており、これはモースとモールス信号(Morse code)とひっかけています。

Morseをモールス信号に直すとこうなります。

M(--)O(---)R(・-・)S(・・・)E(・)

モールス信号を動画に表示している動画を見つけたので、良かったらご覧ください。

www.youtube.com

 

『主任警部モース』は1980年代から2000年まで放映された人気ドラマですが、2012年からは、そのモースの若かりし頃を描いた『刑事モース〜オックスフォード事件簿〜』が放映されました。

どちらも舞台がオックスフォードであることと、彼の趣味がクラシック音楽の鑑賞ということもあって、始めから終わりまで何となく格調高い雰囲気が漂います。ただし、主任警部モース(おじさんモース)の方は、酒と女性が大好きな独身貴族で、ピカピカの車を乗り回すいつも機嫌が悪いおじさん(チャラくはない)という人間らしさが魅力でもあります。

 

『主任警部モース』を見た方には、『刑事モース〜オックスフォード事件簿〜』のやや凝り過ぎなストーリーに辟易するかもしれませんが、1960年代のイギリスの雰囲気や庶民の様子を丁寧に再現している点が興味深いです。

 

『刑事モース〜オックスフォード事件簿〜』(若い方)の原題は「Endeavour」(努力)。これはモースのファーストネームで、先に制作されたおじさんモースの方では本人が恥ずかしがってなかなか白状しないというシーンがあるので、Endeavourというタイトル自体が結構マニアックではないかと思うのですが、タイトルをあえて「Young Morse」としないところに、モースの人気のほどがうかがえます。