一昔前の英国ドラマやコメディの世界へようこそ

1960-90年代の英国のドラマやコメディの独特の魅力をご紹介。ときどき英語のお話もします。

中年夫婦の脱サラ&自給自足生活コメディ『The Good Life』

サラリーマンがある日脱サラを決意して自給自足生活(self sufficient)を始めた、なんていう話、たまに聞きますよね。

1975-78年までBBCで放映された『The Good Life』は、そんな脱サラと自給自足を面白おかしく描いたコメディです。主人公はトムとバーバラのおしどり夫婦。トムはプラスチックの(おそらくお菓子のおまけについてくるような玩具の)デザイナーとして会社勤めをしており、そこそこ会社からは重宝されていますが、40才の誕生日に人生を変えようと決意(いわゆる「中年の危機」(midlife crisis)ってやつですね)。自給自足の生活を始めることに決めたのでした...

と、ここまでですと、普通の話なのですが、このシットコムのユニークなところは、二人が田舎に移住するのでなく、すでに住んでいる家(郊外)に住み続けて、庭で野菜を作ったり、庭で家畜を飼ったりするというところでしょうか。

トムと同じ会社に勤務する隣人のジェリーは、出世を目指して休日は接待ゴルフなどに励み、その妻のマーゴは、奥様方の集まりなどにも熱心なスノッブな女性(彼女の話し方からもお育ちが想像できます)。ちょっと向こう見ずだけど生きることを楽しもうとするトムとバーバラ、世間体と見栄を大事にするジェリーとマーゴ。両者のコントラストは所々で滑稽に描かれていますが、お互いに全く違う価値観を持ちながらも尊重し合おうとする点には、イギリス人らしさを感じます。

イギリス人は元々庭や家庭菜園を好む方だと思いますが、このシットコムは当時イギリスでちょっとした社会現象になったそうで、自給自足(またはそれもどき)を始める人が増えたとか..

ちなみに『The Good Life』は「よい生活」という意味ですが、実はトムとバーバラの姓「Good」とひっかけています。(「グッド夫妻のグッドな生活」ってやつですね)。

本編をちょっと覗いてみたいはこちらもどうぞ(^^)↓

 

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